2012年 07月 05日
新宿クトゥルーミーティング2 紹介作品レジュメ 原作編
呪いの古城(ビデオ)
怪談呪いの霊魂(公開)
The Haunted Palace(原題)
1963年
アメリカ
AIP(アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ)
監督のロジャー・コーマンは、本作はE.A.ポーをタイトルとしているが、実際にはラヴクラフトだと明言。『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』はもちろんの事ですが、2階に異形の子どもを閉じ込めているというくだり(今回は未収録)には『閉ざされた部屋』あたりがモチーフになっているのかもしれません。ヴィンセント・プライスが出演していた一連のE.A.ポーシリーズとの差別化のため、当初はレイ・ミランドを起用する予定だった。脚本のチャールズ・ボーモントは、リチャード・マシスンと共にロッドサーリングのトワイライト・ゾーンを支えた一人。ユニヴァーサルの狼男、ロン・チャニー・ジュニアも出演。

※本作がポーとして発表されたのは、それまでにポーの映画化で成功を収めていたAIPの方針だった。これに関してはロジャー・コーマンは強く反対したが、会社の方針には逆らえなかった。ロジャー自身は「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」が好きで、実際にこれを映画化しようと言ったのだが、結果として会社側が題名がよいと言うだけでポーの「The Haunted Palace(幽霊宮)」が用いられてしまった。また、ロジャー自身はもちろんポーのファンであるが、その流れでラヴクラフトを読んだわけではないそうだ。

ダンウィッチの怪
1970年
アメリカ
AIP
監督のダニエル・ハラーはもともと美術を担当しており、その手腕は『呪いの古城』で遺憾なく発揮されている。本作でも頑張ってはいるが、低予算ゆえか(そもそもコーマンの作品はほとんどが低予算なのだが)見劣りするのは否めない。ウィルバー・ウエイトリー役のディーン・ストックウェルは、『紳士協定(1947)』で特別子役賞を受賞、『タッカー(1988、監督のフランシス・フォード・コッポラは、ロジャー・コーマンのもとで腕を磨いた人)』で助演男優賞を受賞している名優で、渋い脇役として活躍中。アーミティッジを演じるエド・ベグリーは、1940〜1960年代西部劇の名脇役。ヘンリー・フォンダの『十二人の怒れる男(1959)』の陪審員や、クリント・イーストウッドの『奴らを高く吊せ!(1968)』の悪役牧場主あたりは有名かと。本作でもっとも印象に残るだろう老ウェイトリーを演じるサム・ジャッフェも名優であり、『地球の静止する日』のジェイコブ教授や、チャールトン・ヘストン版『ベン・ハー』のサイモニデス、TVシリーズ『ベン・ケーシー』のゾーバ博士などを演じている。また、当時コーマンのもとにいたフランシス・フォード・コッポラの妹で、後にシルベスタ・スタローンの『ロッキー(1976)』でエイドリアンを演じたタリア・シャイア(タリア・ローズ・コッポラ)が看護婦役で出演。

フロム・ビヨンド
1986年
アメリカ
エンパイア・ピクチャーズ
ブライアン・ユズナ(製作)、スチュアート・ゴードン(監督)、デニス・パオリ(脚本)による、『ZOMBIO/死霊のしたたり(1985年、死体蘇生者ハーバード・ウエスト)』に続くラヴクラフト映画第2弾。ジェフリー・コムズとバーバラ・クランプトンも引き続き出演。1980年代スプラッターブーム真っ盛りの時期でもあり、死霊のしたたりほどではないがドロドログチャグチャ。これは彼らが作り出した一連のHPL映画に通じる事だが、原作なんぞどこ吹く風と思いきや、案外ポイントは抑えてあったりする。バーバラ・クランプトンのサービスシーンも健在。ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ(1978)』で名をはせたケン・フォリーも、パンツ一丁で奮闘。

また、死霊のしたたりのチームは、コンスタントにラヴクラフト映画を作り続けています(※)。

※死霊のしたたりチームが関わっているラヴクラフト映画
ZOMBIO/死霊のしたたり(1985)
フロム・ビヨンド(1986)
死霊のしたたり2(1989)
地底人アンダーテイカー(1992)
ネクロノミカン(1993)
キャッスル・フリーク(1995)
ダゴン(2001)
死霊のしたたり3(2003)

インスマスを覆う影
TBS『ギミア・ぶれいく』で放映されたテレビドラマ。『インスマウスの影』の舞台を日本にアレンジし、雰囲気、ビジュアル共に秀逸な作品。脚本の小中千秋、主演の佐野史郎共にラヴクラフティアンであることは有名。ことに小中千昭は子ども向けのテレビ番組でも堂々とクトゥルー神話にの要素を盛り込んでおり、『デジモンアドベンチャー02』のダゴモンの呼び声は異色作。また、本作に登場するネクロノミコンは、佐野史郎氏のお手製。アトリエOCTAのラヴクラフト・シンドロームにメイキングおよびインタビューが記載されている。

The Call of Cthulhu クトゥルフの呼び声
HPLHS(H.P.Lovecreaft HIstorical Society/ハワード・フィリップス・ラヴクラフト歴史協会)による作品。世界にアピールするために25言語の字幕がつけられたが、日本語は未収録。平衡感覚を狂わせるようなルルイエのセットは、ドイツ表現主義のカリガリ博士やメトロポリスを彷彿とさせる。そういえば、エンマ号の船長は1926年版『プラーグの大学生』のコンラッド・ファイトに似ているようなのは気のせいだろうか。

The Whisperer in Darkness 闇に囁くもの
こちらもHPLHSによる作品。今回はモノクロ&トーキーとなり、文字が切れてしまっているものの日本語字幕付き。原作への脚色も、付加された出演者たちも決して無駄なものはなく、物語と舞台に広がりを出している。また、ミニチュアアニメーションによる特撮を多用し、奇怪なミ=ゴを見事に再現。更に、クライマックスの複葉機対ミ=ゴの空中戦に至っては息をつかせぬアクションを見せる。物語に一花沿えた少女がベッキーに似ているなぁというのはさておき、その末路が悲劇過ぎる。
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by cthulhu_dune | 2012-07-05 22:28 | Lovecraft Cthulhu 映画


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