2007年 08月 26日
『ドクトル・マブゼ』第2部
活弁IN学資会座『ドクトル・マブゼ』《第二部・現代人の賭博・地獄》を鑑賞。

催眠術と奇策を弄し、人心を攪乱し市場を混乱に陥れ、己が欲望をほしいままにしていたマブゼ博士。
しかし、手中に収めたにもかかわらず、彼の意のままにならぬトルド伯爵夫人に、その意をねじ曲げられたか否か。
手段が目的へと転じられ、人心を自由に操らんとすることに、心血を注ぐようになってしまう。
だがそれは、マブゼ自身を狂気の結末へと導く火線に、消せぬ炎を着けてしまうことになった。

というその結末、マブゼの幻覚は、映像だけ見ているとなかなか愉快なのですが、ここに付けられた澤登さんの活弁は実に暗鬱で重厚。
それはまるで、マブゼの末路を悲しみ儚んでいるかのようであり、マブゼへの思い入れを絞り出すかのよう。
第二部の冒頭から、フィルムと活弁が第一部以上に渾然一体であると感じられたのは、きっとこの結末があったからだと思う。

第一部を拝見し、どうにもわからなかったこの物語が、まるで光が道を照らすがごとく脳内に広がったと思われたのだが、第二部が進むにつれてその重みさえも感じるようになってゆく。
これこそが澤登活弁のなせるわざであり、観客にとっての快楽、単にストーリーを追っているだけでは味わえない快感に違いない。

そして、稀代の怪人にして悪党を追悼する言葉は、"Tsi - Nan - Fu!"。
この呪文を口ずさみつつ、さらに愉快なひとときへの扉が開かれ、会場をあとにするのであった(笑)
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by cthulhu_dune | 2007-08-26 02:04 | 映画・映像


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