2015年 07月 06日
アメリカの田舎は異形でいっぱいだ『DEEP IN THE DARKNESS』
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大都会ニューヨークの喧噪を離れ、ニューハンプシャーの田舎町アシュボローに引っ越してきた父マイケル、母クリスティーン、娘ジェシカのカイル一家。
田舎は静かでハッピーだぜ!となるはずが、マイケルは隣家の元ウィルバー・ウェイトリー、ディーン・ストックウェル…ではなくってディーン・ストックウェル演じる隣家のフィルおじいちゃんにアシュボローに伝わる忌まわしい伝説と儀式は今でも続いていることを知らされる。

すると、夜な夜な異形たちに連れ去られてはいたぶられたり、異形の治療をしろと持ちかけられたりする、マイケル父さん。しまいにはフィルをぶっ殺せと命じられて…。んで、妊娠しちゃったクリスティーン母さんが産み落としたのは異形でした。

ああ、そうやって伝説と異形の種は存続されていくんだね。
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ディーン・ストックウェルが出演しているホラーってだけでゲットしちゃったけど、ラヴクラフトの『潜み清む恐怖』を彷彿とさせられる、なかなか良質なホラー映画。

ありがちなお話ではあるんだけど、不気味な雰囲気がとてもいい。思わせぶりな前半、中盤から出し惜しみをしない異形の群れ、なんかものすごくいい人そうなフィルおじいちゃん、注射を怖がる異形にお注射しちゃうものすごくまじめなマイケルさん、崩壊しそうでしないカイル一家と、バランスのよい配合。

一応アクションもあったりするんだけど、無駄にかっこつけたり、笑いに転化したりせずに終始大真面目なのも好感が持てます。

田舎の闇は土着して年月を経た伝説と閉鎖的な人間関係の強さ。都会の闇は浮かんでは消えてゆく噂のような伝説と孤独。どちらが怖いかといわれれば、いやぁ、やっぱり田舎の闇って怖いなぁ。

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# by cthulhu_dune | 2015-07-06 15:43 | Lovecraft Cthulhu 映画
2015年 07月 06日
人魚姫ならぬ人蛸姫『SPRING』
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唯一の肉親だった母親を病気で失い、傷心のあまりけんかなんかしちゃった青年エヴァンは、カリフォルニアを離れてイタリアに傷心旅行する。そこで愉快な仲間と出会ったり、ぶどう農園に住み込みで働いたり、一見するとそれほど謎めいていない美女ルイーズちゃんに出会ったりするわけだな。

で、ルイーズちゃんといい仲になるんだけど、この娘っ子がコンタクトでオッドアイを隠していたり、夜な夜な動物を襲っていたり、注射で変身を抑えていたり、変身を止めるためらしき生贄の儀式をやらかしているからさあ大変。そんな彼女がほぼ人蛸姫になり終えた所にやって来たエヴァン君、何じゃこりゃ!と思いつつも転がっていた注射で変身を止めて、ルイーズちゃんの身の上を知ることになる。

(ただし、全編にわたってみんな猛烈な早口でまくし立てるし、字幕も猛烈な勢いで流れていくので何を言っているのかわかりませんし、見直す気力もわきません。)

映画を観る限りでは、だんだん変身周期が短くなっているらしいルイーズちゃん、とうとう人にまで手を出してしまいます。身辺を調査する警察の手は当然エヴァン君にまで迫ってくるのですが、農場を辞めてわ〜!っと飛び出し、ルイーズちゃんとドライブしますが、これって警察から逃げているのかな。

で、なぜか一段落したこの二人、エヴァン君がハッピーなイタリア暮らしだぜ!とアメリカの友人に電話をかけてハッピーエンド。ハッピーエンドなの?という落ちではなく、イタリアは最高だぜ!でおしまいなの。ルイーズちゃんが変身しかかってエヴァン君をなんて下りもあるけど、注射一本で解決ですから。

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ラヴクラフトのインスマスっぽいという紹介があったので、アメリカでのリリースを心待ちにしていたこの作品、インスマスっぽくはないと言い切れませんが、それよりもダークサイド人魚姫といったお話。

そんなに美しくはないけどいい雰囲気のイタリアの田舎の海岸を舞台に、陽気なイタリア人、陽気じゃないぶどう農園のおじいさんたちの日常と、傷心のエヴァン君、忌まわしい自身を嘆くルイーズちゃんの非日常が織りなすドラマは、観ていて意外と飽きません。

結構深刻に悩んでいるはずの二人ですが、終盤はコメディーになってしまうので、そのあたりが『インスマウスの影』を期待していたおいらにはちょっとだけあれれ〜でした。

会話でがんがん説明していくという自主制作っぽいところがありますが、ルイーズちゃんの変身シーンは秀逸で、メイクとCGを駆使しているけどそれをあまり感じさせない自然さ。人蛸姫から元に戻った時は、全身が一皮むけちゃったりするもんだから、気色悪くもエロティックでもあるのですな。

『モンスター 変身する美女』という邦題で日本でも小さく公開されたので、そのうち国内盤ビデオも出るかな。

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# by cthulhu_dune | 2015-07-06 15:06 | Lovecraft Cthulhu 映画
2015年 04月 25日
シッピング・ニュース
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「インスマスを覆う影」の美術、藤井さんから紹介していただいた「シッピング・ニュース」を観た。
パッケージと解説からは、疲れた男が田舎に帰る、ハートウォーミングな雰囲気が伝わってくる。
しかしさにあらず。
ホラーじゃないんだけど、魚の腐敗臭もしてこないんだけど、とてもラヴクラフトの香りがしてくるではないか。

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少年時代、父親から湖に突き落とされたらしい冒頭。
両親の自殺と、それと重なるように起こった自分を裏切った妻の突然の事故死をきっかけに、娘とともに故郷の島に帰り、新聞記事を書き始プロローグ。
しばらくして、娘が知るはずのない「家」の過去を語り出したり、人形を壊し始めたり。
やがて知らされる、一族の暴虐と忌まわしい過去。
波間に漂う首無し死体に、島を出ようとする若者を襲う非道な仕打ち。

ほら!ケヴィン・スペイシーとジュリアン・ムーアの共演とは思えないほどインスマスの情景が浮かんできたでしょ!
でも、そんな厭なストーリーなのに、とても綺麗で憂鬱な映像なんですよ。
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# by cthulhu_dune | 2015-04-25 18:15 | 映画・映像