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2012年 07月 05日
平日にもかかわらず、多くの方に足をお運びいただきありがとうございました。 私の登壇も含めまして、全ては朝松健先生をはじめとしたその道の錚々たる皆様のおかげでございます。 お礼の代わりとしてはいかがなものではありますが、新宿クトゥルーミーティング2においてご紹介いたしました作品のためのレジュメをここにまるまる転記いたします。 ほとんどはすでに『怪奇幻想シアター』において、私個人が好き勝手に記述したものを簡略にまとめたものですが、多少の削除追記があります。 なお、内容に誤りがありましたらごめんなさいです(笑) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜HPL&邪神総進撃1(31本)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 1951 遊星よりの物体X(影が行く/ジョン・W・キャンベル) アスタウンディング・ストーリーズ誌にラヴクラフトの「狂気の山脈」が掲載された年の翌年1937年、この、奇しくもラヴクラフトの没年に同誌の編集に就いたのがジョン・W・キャンベル。 彼の作品「影が行く」は、1938年8月号にドン・A・スチュアート名義で掲載された作品であり、「狂気の山脈」にインスパイアされた作品。 これらの作品の間には、南極を舞台に繰り広げられるはるか昔に地球にやってきた異世界の生物と人間との遭遇という共通のプロットがありますが、作品の持つ雰囲気は異なっています。 「狂気の山脈」では邪神たちが待ちうけている極地に飛びこむ、邪神を前面に出しながらもじわっとした冒険譚であるのに対して、「影が行く」ではほかの生物に寄生し、吸収し、変身するエイリアンによる恐怖が、何が怪物なのかわからないというサスペンスタッチに描かれているのが特徴です。 1954 大アマゾンの半魚人 人魚伝説やケルト人の信仰するダゴンなど、半人半魚のモンスターは古くからありますが、この作品の脚本家たちは「インスマスの影」をヒントに半魚人を創造した。 しかしストーリーには影響されたところが見えず、滅び行く寂しい半魚人と自然破壊への警鐘となっている。 もっとも、水の中は人間の世界ではなく、何が潜んでいるかわからないといった原初的な恐怖と、それが古からの怪物として描かれているあたりは、ラヴクラフト的といえなくもないでしょう。 1965 襲い狂う呪い(異次元の色彩/宇宙からの色) ロジャー・コーマンのもとで素晴らしい美術を造り上げていたダニエル・ハラーの初監督作品。 この作品では美術監督まで兼任していませんが、これまで培ってきた視覚的な雰囲気づくりはしっかり引き継がれている。 隕石に焼き尽くされ荒廃したアーカム郊外の景観や、霧に包まれ不気味なたたずまいを見せるナハム・ウィットリー(原作ではナハム・ガードナー)の館などが特徴的。 ナハム・ウィットリーを演じるのは希代の怪奇俳優ボリス-・カーロフ。 一九六〇年代、晩年のカーロフは車椅子を必要とする身体になりつつも映画への情熱は衰えず、この作品ではほとんどを車椅子に座っての出演。 しかし、ナハム自身が隕石の影響を受けて患っていることと見事にシンクロし、不自然さはまったく感じられない。 主演のニック・アダムスは、東宝の『フランケンシュタイン対地底怪獣(1965)』と『怪獣大戦争(1965)』に出演。 ※ロジャー・コーマンは監督になる前からポーやラヴクラフト作品を読んでいた。ボリス・カーロフがいつ頃ラヴクラフトを読んだのかは不明。ダニエル・ハラーがラヴクラフトを読んだのは、この映画を手掛けてから。 1967 火星人地球大襲来 はるか昔に火星人が地球を支配していたという設定がクトゥルー神話的と評されていますが、決してクトゥルー神話にインスパイアされた作品ではないようだ。 1967 太陽の爪あと(閉ざされた部屋) ダンウィッチとインスマスオールスターの原作とは程遠い、田舎の孤島に閉息された忌わしい出来事になってしまった。 肝心な恐怖の根源が怪物ではなく気のふれた女性であるうえ、地元の不良たちとのいざこざが前面に出されてしまい、「閉ざされた部屋」の印象がほとんどない。 何より、精神異常者を生み出した背景や、その一族のルーツなどがほとんど描かれていないのが惜しまれる。 ハマーの狼男オリバー・リードの悪童ぶりもかげってしまうほどの、ギグ・ヤングの空手が印象に残る作品。 1968 悪魔の宴(魔女の家の夢) モンスター俳優の雄、ボリス・カーロフとクリストファー・リーの共演に、バットマンシリーズで執事アルフレッドのマイケル・ガフ、「血塗られた墓標」で名をはせたスクリーミング・クイーンのバーバラ・スティールが競演するだけで価値ある作品。ところが、魔女の家で見た夢の内容は、これらオールスターによるSMショーとなってしまった。 1970 EQUINOX 4人の若者がハイキングに入った森で出会った奇怪な老科学者が、ネクロノミコンを使って怪物を呼び出す。 1971 Nighty Gallery Cool Air(冷気) アメリカのテレビ番組ナイトギャラリーのエピソード18。 原作でも男性とは明言されていないが、訪ねてくるのが女性であり、最初からムニョス博士に会うためにやって来たりと、設定はやや異なる。 しかしムニョス博士の風貌と彼の部屋は非常に忠実に再現されており、これはいくつかある冷気の映画化の中でも最も原作の雰囲気を表現している。 師弟関係というよりは悲恋物として描かれるというあたり、やはり一般受けしやすいからなのだろう。 1971 Nighty Gallery Miss Lovecraft sent me アメリカのテレビ番組ナイト・ギャラリーのエピソード7、あっという間の超短編。 ラヴクラフトの名とネクロノミコンが使われるが、まあそれだけ。 スタンリー・キューブリックの「ロリータ」にでロリータを演じたスー・リオンがベビーシッターを演じている。 1971 Nighty Gallery Professor Peabodys Last Lecture アメリカのテレビ番組ナイト・ギャラリーのエピソード14。 講義を受けている学生にブロックとダーレス、ラヴクラフトがいる。 ピーバディーとはラヴクラフトの作品中に二人出ており、この作品の綴りではダーレスとの合作「ピーバディー家の遺産」の方。 「狂気の山脈」のピーバディー教授の綴りはPabodie。 1971 Nighty Gallery Pickman's Model(ピックマンのモデル) アメリカのテレビ番組ナイト・ギャラリーのエピソード17。 ピックマンが女性ばかりの絵画教室の先生という設定は悲恋譚に仕立てるためなのですが、その教室でグールの絵について講議しているのには首をひねってしまう。 本作のグールは、ハネス・ボクの有名な「食事をする食屍鬼」に似ている。 ピックマンの手袋が外れてグールとの関係も明らかになるカットが、なかなかに悲劇的なインパクトを出している。 1972 Nighty Gallery The Return of the Sorcerer(妖術師の帰還/C.A.スミス) アメリカのテレビ番組ナイト・ギャラリーのエピソード29。 クラーク・アシュトン・スミスの同名作品の映像化。 ヴィンセント・プライスがカーンビィ兄弟の一人二役。 多重人格を演じさせたら当代随一の名優の魅力は、この短い作品の中でもいかんなく発揮されています。また、カーンビィの父親フォーリン・タワーを演じるのは、本物の黒ヤギ。 1973 地下室の魔物 『壁の中の鼠』にインスパイアされたテレビ映画らしいが、真相は不明。 ギレルモ・デルトロによってリメイクされた2011『ダーク・フェアリー』は、より『壁の中の鼠』に近いと評されることが多い。 1974 事件記者コルチャック 骨髄を吸い取る宇宙の怪物体 1974 事件記者コルチャック よみがえる地底の怪神 1974 事件記者コルチャック 地底怪獣ワニトカゲの影 この一風変わったテレビシリーズには、地下深くで眠っていた怪神マッチモニードが甦り病院に恐怖をもたらす「よみがえる地底の怪神」、考古学者が見つけた奇妙なメノウを探し求めて奇怪な大トカゲが地下研究所に現われる「地底怪獣ワニトカゲの影」、タイトル通りの「骨髄を吸い取る宇宙の怪物体」といった、クトゥルー神話に影響されたと思われるストーリーがある。 1975 Whisperer in Darkness(闇に囁くもの) 8ミリフィルムで撮影された、アマチュア作品の草分け。 1977 マニトウ 原作者のグレアム・マスタートンが、この小説はラヴクラフトの邪神学を借用していると創元推理文庫「ラヴクラフトの遺産」に収録された短編の後記で記している。 ミスカマカス(ミスクアマカス)はラヴクラフト&ダーレスによる「暗黒の儀式」の一篇「ビリントンの森」に登場しており、この映画の中には「グレート・オールド・ワンズ」というセリフもある。 1979 エイリアン エイリアン・デザインのもととなったのはH・R・ギーガーの「ネクロノミコン」。 脚本のダン・オバノンがラヴクラフティアンであり、本作にはルルイエの雰囲気が醸し出されていると思われる。 1981 ビヨンド ルチオ・フルチはラヴクラフトのファンであり、本作以外にも『地獄の門』や『墓地裏の家』で自身の作品にもそのエッセンスを盛り込んでいる。 もっとも、予算や興行的な問題から、ショッキングであり、センセーショナルである方向性となっているらしい。(インタビュー記事の中で言及しています) 1982 クリープショー『ジュディ・ヴェレルの孤独な死』(異次元の色彩/宇宙からの色) このオムニバスの第二話、スティーブン・キング脚本&主演の「ジュディ・ヴェレルの孤独な死」は、「異次元の色彩」にインスパイアされたもの。ストーリーよりもいっちゃっているキングの一人舞台が本作の魅力。 1982 死霊のはらわた サム・ライミが低予算で撮影した16ミリの自主制作作品をベースに、劇場用に35ミリで新たに作り直された作品。 しかも、別の短編を作ってこの作品のための費用をねん出するという熱の入れよう。 ラヴクラフトの作品からはネクロノミコン(劇中では「ナチュラン・デ・マント」)と死霊復活というプロットを使っただけのもの。 1982 遊星からの物体X(影が行く/ジョン・W・キャンベル) 1982年の二度目の映画化では原作に沿った映画を意識して作られ、サスペンス色を強く出している。 進歩したSFXとロブ・ボッティンの特殊メイクは変身する怪物を描くことを可能にした。 ラヴクラフティアンであるジョン・カーペンターは、ラヴクラフトの影響を多くの作品に受けており、この作品も例外ではないと語っています。 原作のみならず、監督も影響を受けた本作は、キャンベルの原作をベースにしつつラヴクラフトらしいダークな世界を創造している。 マクレディのような荒っぽいヒーローはHPLの描くところではないが、そこはジョン・カーペンターらしさの象徴。 2011「遊星からの物体X ファーストコンタクト」は、本作の前日譚。 1985 ZOMBIO/死霊のしたたり 原作以上にというか、原作から離れてスプラッター色濃厚などろどろグチャグチャの作品。 ヌードやコメディーといったホラーには欠かせないサービスカットも満載。 原作のシュールさはまったくない、軽快なテンポのスラップスティックスプラッターではあるが、意外とストーリーはそれなりに原作に沿った作りになっている。 本作のチームはこの後もラヴクラフト映画を作り続けている。 1986 トワイライトゾーン おばあちゃん(おばあちゃん/スティーブン・キング) 「トワイライトゾーン」の第44話。 おばあちゃんが実は魔女で、その血筋が孫に受け継がれてしまうという黒魔術物。 ネクロノミコンとそれに書かれた邪神たちの名前を多用した呪文によって、クトゥルー神話のテイストが演出されている。 1987 デッドウォーター(異次元の色彩/宇宙からの色) ルチオ・フルチが特殊効果で携わっている。 誰もがきっと一度はどこかで目にしているだろう、名悪役にして名脇役クロード・エイキンスが嫌みな父親役を好演。 1987 死霊のはらわた2 冒頭でネクロノミコンの制作過程が明らかになるのが傑作。 前作の続編にしてリメイク。 アッシュが優雅にピアノを奏でるシーンがあるのだが、ブルース・キャンベル自身が弾いているのか? 1987 邪神伝説デビルゾンビ 王道のネクロノミコンはもとより、「門の鍵」なる書物の著者がC.D.ウォードだったりする。 復活するのは「Yog Kathoth」(劇中での発音はヨグ・コザック。ヨグ=ソトースのことでしょう)であり、星に封印されているという設定。 しかもそれが星の活動で復活時期がわかったりするあたりも、ラヴクラフトらしいコズミック・ホラーをうかがわせるが、それだけといえばそれだけの作品。 前半は『死霊のはらわた』そっくり。 1987 The Testimony of Randolph Carter HPLC(ハワード・フィリップス・ラヴクラフト歴史協会)による作品。 よって、かなり原作を忠実に再現している。 1988 ヘルダミアン悪霊少女の棲む館(名状しがたきもの) 原作を学園仕立てにした、下心丸出しびっくり肝試し大会が本物の惨劇になってしまうお話し。 1989 Beyond Dreams Door 『眠りの壁の彼方』をベースにしたオリジナル作品。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜HPL&邪神総進撃2(30本)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 1989 モンスターズ テレビ番組『モンスターズ』より、FAR BELLOW(地の底深く/R.B.ジョンソン)とTHE SPACE EATERS(喰らうものども/F.B.ロング)の2編。 1990 TRANSYLVANIA TWIST デクスター・ウォードとヴァン・ヘルシングが共演し、ウルタールの書をめぐってオルロック伯爵と対決するという、吸血鬼退治コメディー。 ウルタールの書によって呼び出されたのは、『金星人宇宙を制服』の金星人で、山よりも大きくなって登場。 1991 SFXハードボイルド ラブクラフト ラヴクラフトを探偵に仕立て上げたこの作品は、クトゥルー神話というよりもハードボイルド路線を狙った黒魔術もの。 1991 クトゥルーマンション/新・悪魔の儀式 魔術師の背景よりも、程度の低い不良グループの馬鹿さ加減に終始する、かなり残念な作品。 もっとも、制作者の意図はティーン・エイジャーとブラックマジックを結びつけたホラーを作りたかっただけなのかもしれず、クトゥルーの名を外した「Black Magic Mansion」というタイトルも付けられていた。 メラニー・シャトナーは、ウイリアム・シャトナーの娘。 テレビシリーズ「クロニクル 倒錯科学研究所 」で親子競演をしているが、その作品にはほかにもここに上げた映画群の出演者の名前も見られる。(未見なので未確認) フランク・フィンレイはアラン・アーキン版「クルーゾー警部」の悪徳警部や、「戦場のピアニスト」でエイドリアン・ブロディーの父親役を演じた。 1992 ヘルハザード禁断の黙示録 ダン・オバノンの手による現代版「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は、探偵を前面に押し出した作品。 塩と灰による肉体再生をSFXを駆使して映像化。 音楽は『死霊のしたたり』チームでもあるチャールズ・バンド。 1993 ダークビヨンド死霊大戦(ランドルフ・カーターの陳述) 「ヘルダミアン/悪霊少女の棲む館」の続編は、ランドルフ・カーターと、怪物から分離したアライダとの悲恋譚。 特殊メイクの都合らしく、大きな動きのない怪物が残念だが、その翼を活かしてちょっとだけ飛ぶのがほほえましい。 1993 ネクロノミカン禁断の異端書(壁の中の鼠/冷気/闇に囁くもの) アメリカ・イギリス・日本の監督による3話のオムニバス。 ラヴクラフト映画の常連で「死霊のしたたり」でハーバード・ウェストを演じたジェフリー・コムズが、プロローグ、エピローグなどの部分にあたる「The Liberally」でラヴクラフト役。 ちょい役でブライアン・ユズナがタクシーの運転手。 さらに、金子修助はガメラの監督として有名。 1994 地底人アンダーテイカー(潜み棲む恐怖) 教会の墓地の地下に棲む呪われた一族マルテンス家の末裔に脅かされる町レファーツ・コナーズ…、というベースに犯罪組織を加え、ほとんどの部分で人間同士の確執に終始しているのが残念。 そのため、翻弄されているのが実は怪物たちではないのかと見ることもできてしまう。 酔いどれのハギス医師にラヴクラフト映画の常連ジェフリー・コムズ。 1994 魔界世紀ハリウッド 舞台をハリウッドに移した「ラブクラフト」の続編だが、探偵ラヴクラフトと、魔女狩りをもって得票数を増やそうとする政治家との対立は、クトゥルー神話とはまったく関連がなくなってしまった。 その探偵を名優デニス・ホッパー(理由なき反抗/イージー・ライダー/地獄の黙示録/ウォーターワールドなど)が好演。 1995 キャッスルフリーク(アウトサイダー) 「ZOMBIO/死霊のしたたり」のスチュアート・ゴードン、ジェフリー・コムズ、バーバラ・クランプトンが組んだ作品。 遺産を残した公爵と、それを相続した家族の関係性や因縁が全くなく、ひたすら幼児のままに虐待され成長したジョルジョの、純粋な狂気と残虐性に終始しているのが残念。 1995 マウスオブマッドネス ラヴクラフティアンであるジョン・カーペンターによる、ラヴクラフト風の作品。 劇中で描かれる架空の街ホブズ・エンドの名称は、1967『火星人地球台襲撃』から来ている。 タイトルからスペースを少し外すと、「inthemouth of madness」となったりする。 ジョン・カーペンターはほかの作品でもラヴクラフトの作品から名称を拝借していまして、配役では「ザ・フォッグ」のブレイク、「パラダイム」のダンフォース、さらには「ゼイリブ」の脚本をアーミティッジ名義で書いている。 朝松健先生のノベライズあり。 1997 Lurker The Hound(魔犬/アマチュア作品) 原作に沿った展開と、不気味さは雰囲気はなかなかに演出されている。 墓荒らしの葬られた墓を暴くロケーションが、オランダ教会墓地から近所の河原になってしまったのは残念だが、アマチュア作品であることを考慮すれば致し方ないだろう。 1997 Lurker THE MUSIC OF ERICH ZANN(エーリッヒ・ツァンの音楽/アマチュア作品) 『エーリッヒ・ツァンの音楽』の傑作。 1997 ヘモグロビン(潜み棲む恐怖) 主演は『ブレードランナー』でレプリカントを演じたルトガー・ハウアー、共同脚本にダン・オバノン。 原作のグロテスクでおぞましいポイントをいかしつつ、ロマンティックなシチュエーションを加味して「潜み棲む恐怖」の映画としてはまずまずの出来、少なくとも「地底人アンダーテイカー」よりも良質な仕上がり。 1998 OUT OF MIND ランドルフ・カーターシリーズで綴ったラヴクラフト小史といった形の、ドキュメンタリータッチの作品。 ヘンリー・アーミティッジ博士やハリー・ウォーレンたちも登場し、カーターとエインジェル、ネクロノミコンをめぐってちょっとしたミステリーを巻き起こす。 これまで映画化されたラヴクラフトの中では、もっとも本人に似ているだろう。 1999 Cool Air(冷気) もっとも原作に忠実な『冷気』。 ムニョス博士の相貌にたたずまいも見事であり、恋愛もヒロインも持ち込まなくても傑作はできる。 原作では明記されていない主人公だが、本作ではランドルフ・カーターとなっている。 1999 Return to Innsmouth(インスマウスの影) タイトルは『インスマウスへの帰還』だが、ベースは『インスマウスの影』。 深きものどもの造形にややチープなCGIを交えているが、アマチュア作品としては秀作だろう。 2000 CTHULHU 低予算であることを加味しても、正直よくわからない作品。 アーカムにあるミスカトニック大学に、アーミテージ教授にインスマス、カルト教団に見えない怪物と、ネタは一通りそろっている。 2000 Lurker in the Lobby2 Nyarlathotep(ナイアルラトホテップ) 雰囲気たっぷりの『ナイアルラトホテップ』。 古代エジプト人そのままの風貌でスーツを着こなすナイアルラトホテップが秀逸。 2000 Lurker in the Lobby2 The Old Man and the Goblines ちょっぴりブラックで実にユーモラスな人形アニメ。 老人がゴブリンの巣に連れ去られて料理されてしまうという極めて短い作品だが、道中にうごめく怪物共々、きっちりとロードムービーの体をなしている。 2001 DAGON(インスマウスの影) 死霊のしたたりチーム、スチュアート・ゴードン、ブライアン・ユズナ、デニス・パオリによる、『インスマウスの影』。 逃走シーンが無駄に長かったり、不条理な話の展開にかなり強引な部分が見られるものの、メジャー作品としては近年における秀作であるだろう。 しかも、ヒロインが二人も脱いでくれるという太っ腹は、死霊のしたたりチームとしてはこれまでにない太っ腹ではないだろうか。 しかし、主人公が着ている「MISKATONIC」ロゴ入りのトレーナーは、メジャーとしていかがなものかと。 2003 THE THING ON THE DOORSTEP(戸口に現れたもの) おそらく低予算ゆえにアセナスが老いてゆくシーンがないことを除けば、佳作と言っていい短編。 監督のエリック・モーグレットは2005年に「STRANGE AEONS」としてリメイクしており、ヴィジュアルエフェクトも加えてよりゴージャスな作品に仕上がっている。 2005 DREAM IN THE WITCH HOUSE(魔女の家の夢) 『ダゴン』のスチュアート・ゴードン監督、エズラ・ゴデッン主演による魔女の家の夢は、これまでに待ち望まれていたブラウン・ジェンキンが大手を振って登場。 2008 BEYOND THE DUNWICH HORROR 舞台はダンウィッチだが、『ダンウィッチの怪』とはほぼ無関係。 インスマウスの影に眠りの壁の彼方をくわえ、カルト教団で締めくくったようなものか。 2008 PICKMANS MODEL(ピックマンのモデル) 原作通り、怪物の出てこない『ピックマンのモデル』。 ピックマンのアトリエの雰囲気はなかなかのものだが、何か物足りなく感じるのは舞台が現代に置かれているからなのだろうか。 それとも、ピックマンがストリート・アーティスト風に見えてしまうからなのだろうか。 2009 DIRT DAUBER 廃墟で目覚めた男が、カルト教団の男に助けられて真の姿に目覚める、シュブ=ニグラスをモチーフにしたらしいオリジナル。 『チガバチ』というタイトルは、カルト教団の男の末路からきたものか? 2009 SHADOW IN THE GARDEN(2002年製作) 満月の晩に現れる殺人鬼の恐怖というプロットですが、現れるのは植物系オオトカゲみたいなモンスター。 カットスロートクトゥルーやクトゥルーガーデンと言った単語がヒットするのですが、正直なんだかよくわかりません。 2010 DIE FARBE(異次元の色彩/宇宙からの色) ドイツ版『宇宙からの色』は、モノクロの世界に現れるショッキングピンク。 舞台はドイツに移されたものの、原作のイメージを損なうことなく映像化している。 2010 La herencia Valdemar II: La Sombra Prohibida 邦訳すると「バルデマールの遺産2/禁断の影」で、「バルデマールの遺産」シリーズの2作目。 前半、人間狩りのシチュエーションがいまいちわかりませんが、カルト教団がクトゥルーを呼び出す儀式は秀逸。 2011 THE LAST LOVECRAFT(邪神バスターズ) ラヴクラフトの子孫がクトゥルー復活の鍵を巡って、クトゥルーの落とし子&深きものども&クトゥルー教団と戦うホラーコメディー。 映像自体は意外に良くできているし、クトゥルー神話ダイジェストのアニメーションも秀逸なれど、コメディーとはいえ敵味方含めてキャラクターが妙にとんちんかんなのが痛い。 ビーチパーティーで美女がガブリ!と言うお約束のシーンがあるのに、本編に美女が絡んでこないうえ、サービスシーンがないのも痛い。 ただし、キャプテン・オラフとプロフェッサー・レイクの、二人のオヤジパワーが物語を引き締めている。 ■
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by cthulhu_dune
| 2012-07-05 22:27
| Lovecraft Cthulhu 映画
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