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2007年 06月 01日
無声映画に見るパリの情景!
無声映画に見るパリの情景!『眠るパリ』『パッション』
5月30日 門仲天井ホール

輸入ビデオは持っているけど、全くの無音のためこちらが眠ってしまうばかりの『眠るパリ』。
そんな経緯もあって、音楽どころか活弁がついているとあっては、かなり食指を動かされます。
それに、ルネ・クレールの実験的なこの初作はSFとしてもユニークなものなので、足を運んで置いてもいいかなと思った次第。
桜井麻美嬢の活弁はといえば、以前耳にしていたとおりの淡々とした解説みたいな感じ。
エッフェル塔の解説などはストーリーに絡めることもなく、この場面に挟んじゃ興ざめじゃないかい?といった具合。
残念ながらフィルムにも活弁にも意識がいかなかった部分がありますが、これが桜井嬢のスタンスならば致し方ないところ。
もっとも、耳が慣れてしまったこともあり、止まった時間に疲れ果ててしまう人々とは裏腹に、私自身は疲れてしまうことはなかった。
まあそれはさておき、音楽と活弁のついた『眠るパリ』は、やっぱりおもしろい。
ついでに、クルーズ博士の姪、いかにもアールデコを象徴する職業婦人といった装いのニースが、かわいい(笑)
演じるはマイラ・セラーなんだけど、調べてみたらこれともう一作しか出演記録に当たらなかった。

『パッション』は、実はまったく目当てとしてはいなかった。
これ、ヒロインであるジャンヌがあまりに非道だし、フランス革命をやりたかったせいか終盤のあまりの駆け足に、見ているこちらがヘトヘトになるから、あんまり好きな作品じゃないから。
ジャンヌがベルサイユを追放されたところでうまく幕を閉じておくのがいいと思うんだけど、それじゃ非道ぶりを洗い流すには不足なんだよなぁ。
まあ、私の頭の中ではメフィストに固定されてしまったエミール・ヤニングス、やっぱりここでも怪演ぶりを遺憾なく発揮しているのがたまらない。
そして、以前見たときに「デュバリエ伯爵って、見得を切ったときの加トちゃんに似ているなぁ」と思ったのを、再確認したのでありました。
余談ながら…これが余談かいっ…、澤登師匠の活弁はやっぱりおもしろい。
ほとんど間のない複数人の掛け合いを、見事に演じ分けてしまうのは圧巻の一言。

そういえば、斎藤裕子さんにお会いしたのに「にゃんころがしムービー」を見せびらかすのを忘れたのでした(笑)

by cthulhu_dune | 2007-06-01 16:56 | 映画・映像


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